こんにちは!
ラフティングチームテイケイ主将の小泉聡です。
先月開催された、ラフティング世界選手権ボスニア&ヘルツェゴビナ大会の報告を致します。
大会期間は5/25~6/1。開催場所は東欧に位置する、ボスニア&ヘルツェゴビナ。美しい自然に有する国です。
コロナウイルスの影響で延期続きだった世界選手権、3年ぶりの開催とあって24カ国61チーム(我々のオープン男子部門は15カ国が参加)による激しいレースとなりました。
◆大会初日はスプリント。約300mの激流区間を1艇で下る短距離種目です。
チームテイケイは練習時よりオーバースピードで激流区間に入り、コースから脱線するミスをしてしまいます。3年ぶりの世界の舞台で気合が乗りすぎていました。 スプリントは4位。 ライバル国であるブラジルは1位で終えます。
◆大会2日目はH2H(ヘッドトゥヘッド)。2艇同時スタートの勝ち上がり式の種目で、大会全体の雰囲気を作る種目になります。
チームテイケイは初戦のオーストラリア、2回戦スロベニア、準決勝は開催国ボスニア&ヘルツェゴビナを次々と撃破して決勝戦まで勝ち上がります。決勝の相手はやはりブラジル。このH2H種目はスタートレーンが非常に重要で、前レースの結果を元にレーンの選択権利が与えられます。我々は準決勝で対戦相手と激しい接触をしていたため、タイムが悪く、ブラジルに優先権を奪われました。スタートでかなり競り合いましたが、ブラジルに先行され、そのままゴール。2種目を終え暫定1位ブラジル、2位日本(チームテイケイ)。
◆大会3日目はスラローム。川に設置されたゲートを正確に通過する種目で、船操技術と流れを読む能力が試されます。この種目でブラジルに勝たないと総合優勝の可能性が限りなく無くなる大一番となりました。
今回のスラローム夜間(20~23時)に実施され、無数のライトに照らされた川での競技は特別な体験となりました。
1本目を終え、1位ブラジル、2位日本。秒差は13秒。観戦していた誰もが「ブラジルが勝った」「逆転は不可能」と思っていたと思います。我々チームテイケイを除いては!
陸上班の正確なレースの分析により13秒差は十分巻き返せる事が判明。船に乗る選手達も非常に冷静で「どこでタイムを縮める」「ここは無理しない」などの会話があり、意思統一はしっかりされていました。
2本目スタート。無数のライトに照らされたコースを正確に、激しく、日の丸の着いた船が漕ぎ進み、ゴール。
結果、、、スラローム1位日本。13秒差をひっくり返しての大逆転での1位でした。
最終決戦はダウンリバー(長距離レース)に持ち込まれます。
◆最終日ダウンリバー。14kmのコースを5艇同時スタートで争う種目です。
我々の部門(オープン男子)はブラジルと日本がここまでの暫定ポイントで抜きん出ており、レース前からお互いのスタート位置などを警戒し合っていました。お互いの警戒心が強すぎたのかスタート合図が鳴る前に2艇ともフライングしたと後に判定されます。ブラジルがスタートで先行、我々が追いかける展開となります。事前練習時より減水しており、静水区間でのスピードが重要になりました。追いつきは離れ、追いつきは離れを繰り返し、53分間の死闘の末に7秒差でブラジルに軍配が上がりました。
◆世界選手権を終えて。終始ブラジルとの一騎打ちのレースでした。
今回戦略としてはここ8年間の優勝国(男子)の成績を分析すると、「スラロームで1位」になると総合優勝する確率が89%とあり、4種目中もっとも配点の高いスラローム(350点)の強化を軸に進めてきました。経験豊富な八木澤、カヌースラローム競技日本チャンピオン経験者の金谷、吉田の加入により「スラローム1位」を実現できたのは彼らの力が大きいです。そしてパドリング、体力面を指導していただいた尾野籐コーチの尽力により我々の体力レベルは格段に向上しました。
しかし、ライバルのブラジルは「全種目1位」を獲れる力を持っているチームです。今後我々がブラジルに勝つには「全ての種目でブラジルを圧倒する」事が求められます。体力、技術、戦略、精神力で死角無しのチームを創っていきます。
◆テイケイグループの皆様
いつもラフティングチームのサポート、誠にありがとうございます。
今回は準優勝という結果でした。世界一恵まれた環境で競技に専念できている中で優勝できなかったのは非常に悔しいです。
世界一となりグループの皆様と共に喜べる日を心に想い、練習に励みます。
小泉聡